歴史に学ぶ教訓

ペロポネソス戦争の教訓
1、中途半端な介入
取るべき行動は全力を持って攻撃する(All-in)、または何もしない。
中途半端な軍事攻撃・介入は歴史的に、長期的な戦争に発展する傾向がある。
例)イラク戦争ペロポネソス戦争
2、代理戦争の危険性
今回は代理戦争というわけではないが、北朝鮮の後ろには中国とロシアが付く可能性がないこともないので危険ではある。
ペロポネソス戦争では、CorcyraとCorinthの戦争にアテネとスパルタが介入し、大戦争に発展した。
3、リーダーの重要性
ペロポネソス戦争で、アテネは有能な指導者ペリクレスを病気で失ってから愚衆政治となり、戦争に負け、崩壊した。
ジョン・F・ケネディキューバ危機において、対話によって核戦争を実質的に防いだ。
トランプ大統領は周りに優秀な人材を揃えているが、歴史にならえば、どう動くかは結局本人によるところが大きいはずである。
4、不可避性
Power Transition Theory(日本語訳不明) 、一国が極端に強いという状態が国際情勢を一番安定させ、2つ目の国が力を持ち始め台頭してくる時点が、不安定状態で戦争が起きやすいというような理論。
どちらかというと米国に対して中国が台頭している状態がこの理論に基づけば危険ではあるが、米国と北朝鮮だけを見た時には、北朝鮮は侮って良い国ではないが、米国の力には遠く及ばず、この理論の不安定状態には当たらないので、この戦争は避けることが容易にできるはずである。だが、中国の台頭によって不安定化する中、北朝鮮での諸々の出来事が引き金となってという可能性はある。国際関係は複雑であり、これに関して結論は出せない。
5、Pyrrhic victory
長期的な戦争は勝った方にも重大な損害を与えるため、避けなければならない。尚更1、の重要性が際立つ。
例)、スパルタはアテネに勝利したが、ひどく疲弊した。 第一次世界大戦ではもはや勝者がわからないくらいにヨーロッパ全体が疲弊した。(最後に乱入したアメリカの一人勝ち)←日本、アメリカの台頭、第2次世界大戦へ。

第一次世界大戦の教訓(原因)
1、ドイツの方針
ドイツは海軍を強化していたが、どうして海軍を強化するのか、ドイツ自身が何をしたいのかをしっかりと国際社会の場で公表しなかったため、イギリス海軍に対抗するためではないかと警戒され、戦争の機運が高まった。北朝鮮の場合も似た状況に陥ってしまっている。核の開発を何故しているのかが明瞭ではなく、国際的な不信感を買っている。
2,平和への満足
第一次世界大戦以前は、イギリスの覇権(Pax Britannica)によって長い間平和(起きる戦争は小規模、局地的そして短期間)な期間が続いたため、平和がどれだけ貴重なものかを多くの人々が忘れてしまっていたのであった。 第二次世界大戦から70年以上経った今、主要国の間で同じことが起きている可能性がある。しかし、今では、技術の進歩によって戦争の映像や写真等が残っているため、そのような技術の無かった第一次世界大戦前よりはマシであろうと考えられる。

オマケ、民主主義
民主主義国家同士の戦争は、論争はあるものの、起きたことがないとされており、民主主義国家同士が戦争に発展する可能性は極めて低いと言える。しかしながら、北朝鮮は承知の通り民主主義ではないので、戦争は過去のものだとして安心することはできない。


 



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